忘れはしない時と唄

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【小説】1000文字小説 「姉妹」 

『掌編小説のススメ』第三弾!
ブロともの楓さん宅で再び開催です♪

お題は『描く』

今回すごーく難しかったです!なかなか話が思い浮かばず…書いても納得いかず…で。
うん、これは小説を書く練習なのだと割り切りました(笑)

ところどころ、ノンフィクションです^^



テーマ曲「Requiem - S.E.N.S.」

 *


「それではここで、新婦から新婦のご両親様へ、今日まで育てていただいた感謝の気持ちを込めたメッセージがございます」
 私は食事をする手を止め急いで立ち上がった。慣れないヒールでわずかによろける。ビデオカメラを手にし、お姉ちゃんの顔に向けた。
「それではお願い致します」
 曲想が変わり、しとやかに流れる美しい音楽が会場全体を優しく包み込んだ。
 レンズ越しに見るお姉ちゃんの顔は久しぶり過ぎて、こんなにも綺麗だったのだろうかと胸を痛める。
「お父さん、お母さん。二十八年間お世話になりました。お父さん、いつも優しく私を見守ってくれてありがとう……」
 真っ白なウエディングドレスに包まれたお姉ちゃんは、私の記憶の中で一番綺麗だった。華やかに結い上げた髪型も、いつもよりほんの少し濃い化粧も。何より、普段は着ることのないドレス姿も。

 お姉ちゃんは私の憧れだった。
 頭も良くて、運動神経も良くて。要領も良く、友達も多く。何もかも私はお姉ちゃんに劣っていた。
 それはいつしか嫉妬に変わり。疎ましく思うようになり。お姉ちゃんと自分を比べるたび、どんどん辛くなっていった。
 お姉ちゃんなんて、いなかったら良かったのに。そう思うことも多かった。
 高校を卒業してから、お姉ちゃんは東京に行き。今日まで数回しか会ったことがない。話すことも、メールすらしたこともない。きっと大学生活が楽しくて、仕事が忙しくて、私のことなんて忘れてしまっていたのだろう。こんな可愛げのない妹のことなんて。
 私はいつも友達の姉妹を見て羨ましく思っていた。何でも話し合える仲のいい姉妹。お互いを必要としている絆。

 カメラに映るお姉ちゃんは綺麗な涙を頬に落とし。ひとつ瞬いて顔を上げた。そして、私の方を見た。
「お父さんとお母さんに、一番感謝したいことがあります」
 照明を落とした会場の中で、私を見つけることは難しいはずなのに。カメラを持つ手がかすかに震えた。

「妹を、夏美を産んでくれてありがとう」

 嗚咽が聞こえた。頬に温かいものが伝って落ちた。自分が泣いていることに、私はたった今気が付いた。
 拒絶していたのは、私の方だった。私が距離を置いたんだ。本当はお姉ちゃんのこと、誰よりも大好きなのに。

 読み終えた手紙やプレゼントをお父さんたちに渡すと、お姉ちゃんは私の方へと歩いてきて。
 泣いている私を見て、優しく微笑み。
 ぎゅっと抱きしめてくれた。

 私の思い描いていた姉妹は、ここに在ったんだ。





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カテゴリ: 掌編小説(1000文字ショート)

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コメント

(*´д`*)

姉妹っていいなぁ。私もお姉ちゃんか妹がほしかったなぁ。
とてもほっこりとした気持ちに慣れました><

こたつ猫 #oPL.xBuk | URL【2011/09/25 22:54】edit

>こたつ猫さん♪

お読みくださり、ありがとうございます♪
姉妹って、小さい頃は本当喧嘩も多くて大変なんですけど(笑)
大人になってから身にしみました。有り難い存在です^^
私の場合、姉がいるんですが…もう、この作品に書いた通りの素敵な人で。うらやましいんですよ~!>< ←

ほっこり、ありがとうございます☆嬉しいお言葉です^^

chacha #- | URL【2011/09/26 12:36】edit

うぉぉ;;

涙っす、涙っすよchachaさん!!><
BGM流しながら読ませて頂いて。

何を思い出すって、自分の過去。
過去と、凄いリンクしました。

私も姉妹の妹の方。
近い場所にいる、同姓の姉妹・兄弟って、一番の理解者であると同時に一番理解するのも難しい存在なのかもしれないなぁって思いました。
憧れて、だからちょっと自分が切なく思えたりして。
好きだから。
だからこそ、自分からつい距離を開けてしまったりとか。

大人になって、大切さがホント身に沁みます。

でも、素敵な人ってお姉さんの事を書けるchachaさんも、とてもとても素敵な人☆^^
そんなchachaさんが好きーっ←!

結婚式でそんな事いわれたら、涙で前が見えなくなりそうですっ。
夏美ちゃんを抱きしめるお姉さん。
想像だけで、もう、泣けてきます。

とても素敵なお話をありがとうございました^^

kazu osino #7av6LuR2 | URL【2011/09/26 23:50】edit

こんにちは~♪

いやん~泣けちゃいました!!
いいですね。なるほど~。
chachaさん、どんどんうまくなってる~♪
姉妹の関係、うん、わかりますよ~。近いようで遠いようで。
うんうん。
しかも、結婚式のあの、定番の涙シーンと重なっている!!
こちらを向いた、描写の瞬間に涙溢れそうになっちゃった!ほんと、感動です♪
すごく素敵な1000文字でした!
あああ~。私はまだ何も…。

がんばらなきゃ~♪

らんらら #- | URL【2011/09/27 14:40】edit

>kazuさん♪

いやーん!
お涙ちょうだい、有り難いです♪(意味不明
前回楓さんがBGM貼ってあったので、今回こんな話ですし私もマネして貼ってみました^^

そうですか、kazuさんも同じく妹さんなのですね!
姉妹(兄弟)って本当、幼い頃は喧嘩が多くなかったですか?
反発もしあうし、憎らしくも思うし。
でも、お互い成長するにあたって気がついてくるんです。親とも友達とも違う、自分の良き理解者であることを。
今では一番会話してるかもしれません。たわいもない話をいきなり電話して話せる相手。そうそういませんし^^;

結婚式でこんなこと言われたら、私も涙で前が見えなくなっちゃいます!(笑)
でも、友達の結婚式でこんなニュアンスの場面があったものだから…それを取り入れてみました^^

か、kazuさん!好きだなんてそんな…(*´∀`*)ポッ
そんな風に言ってくださるkazuさんが、私は大好きです♪いつも嬉しいお言葉をありがとうございます~★

chacha #- | URL【2011/09/28 12:38】edit

>らんららさん♪

泣けちゃいました?やったー!です^^(笑)
この場面は何度体験しても(知人・友人のでも)涙、涙なのですよ…
なので、そこを上手く使わせていただきました♪^^
どんどん上達してます?本当に??嬉しーーーっ!><*

姉妹って不思議ですよね~。
親との関係もそうですけど、自分が成長していくにつれて相手とのわだかまりだったり、距離がなくなっていって。
特に、親よりも近い存在(だと私は思うんですけど)なので本当、居てくれて良かったな、なんて大人になってからよく思います。

二番手頂きました♪
らんららさんの作品も楽しみにしていますね~!
「描く」というお題、とても勉強になったので有り難かったのです☆ありがとうございました^^

chacha #- | URL【2011/09/28 12:43】edit

こんばんは

こんばんは。
いいですね、姉妹愛。
僕は弟の二人兄弟なのですが、男同士って普通に距離とるんですよね。別に嫌いとか好きとかそういう関係じゃなくて、客観的に、一人の男として。
皆がそうではないと思うけど、母娘とか姉妹とか、結構仲よく一緒にいるところを普通に見かけます。なかなか男兄弟では見ない光景ですよね。
だけど、それでもやっぱり兄弟に対するコンプレックスってのは多かれ少なかれありますよね。特にそういうのは女の子の方がありそうな気はします。
「妹を生んでくれてありがとう」
こんな素敵な言葉を、しかも結婚式で言ってもらえる。
とても温かい家族ですね。

ところで、
どこからどこがノンフィクションなのか、それがとっても気になってしまいます。

遅くなってしまいすみませんでした。
すっかり遅刻ですが、僕も時間を見つけて書きたいと思います。

楓 #u2lyCPR2 | URL【2011/10/02 23:30】edit

>楓さん♪

こんにちわ~^^
お忙しい中、なんだか恐縮です;;
わざわざ足を運んでくださりありがとうございます☆

姉妹愛、いいですよね。
兄弟もなかなか羨ましいんですが、大人になってくるにつれて逆に距離が離れていくんでしょうか?
小さい兄弟を見かけると、なんとも微笑ましく思うのですよ^^
親が亡くなってしまった後では、唯一の血の繋がりのある人物になりますし。やっぱり特別な存在のような気がします♪

で。ノンフィクションである部分は…
私が妹であり、姉はこの作品の通り素敵な人であること。
姉の結婚式でカメラ係、実際やってました(笑)
そこまで疎遠ではなかったにしろ、夏美の想いは私の想いと同じでした。喧嘩も多かったですし^^;

妹を産んでくれてありがとう。
この言葉は友人の結婚式にて実際あった内容です。涙が止まりませんでした;;(自分のことじゃないのに。笑

そんな感じです☆だからオチは、私の願望(羨ましかったから?)でしめました^^
また楓さんの作品も楽しみに待っております♪
まずは何はともあれ、ご無理だけはなさらず…!><。
ありがとうございました!

chacha #- | URL【2011/10/03 12:24】edit

今回はこちらの作品を読ませて頂きました(・ω・*

何でしょうね、たった一言なんですが
それがとても心に響くんですよね

私は結構負けず嫌いな上に
すぐ人を嫌いになってしまう性格です
自分で言うのもなんですが、繊細な性格ですので
傷つくのが怖くて距離を置きたいだけかも…

そんな私なので、密かに嫌いな人から
優しい言葉や感謝の言葉を掛けてもらうだけで
あっという間に心の蟠りが溶けるようで…

あまり作品と関係のないコメントでしたが
私はこの作品に非常に共感しました(^^*

sun #iBQcsk6M | URL【2011/12/05 18:01】edit

>sunさん♪

手に取ってくださり、ありがとうございます^^
この作品には思い入れがあったりして、ちょっと自分と重なっている部分もあるのですが。
やっぱり、ああいう場でなければ言えない言葉があったり。
ああいう場だからこそ、言葉に重みが増したりしますから。
ある意味、私の願望だったりするのです^^;

私も、傷つくのが怖くて距離を置いてしまうタイプなのです。
後輩であっても、同じ歳であっても。敬語を使う相手は私なりに距離を置いている人物だったりします。
でも、ちょっと何かが起これば。ほんの少しの出来事があれば、一気に距離が縮まったりするので本当、人間関係って不思議です。
もちろん、逆のパターンもあるのでやっぱりおどおどしちゃいますけど^^;

共感をありがとうございます♪それこそが一番嬉しいコメントですよ~!

chacha #- | URL【2011/12/05 22:31】edit

chachaさんっ(*´∀`*)ノ
夢術師の続きにお邪魔しに来たのですが、ついこちらを先に手にとってしまいました。

もう、もうね‥‥
涙で前が見えないです(;つД`)
夏美が泣く前に私が泣いたよwww
とっても心に響きました。

私は姉妹の妹です。
こんな素敵な姉妹になれたら‥‥いいなあと少し遠い目になってしまいましたよ。

ていうか、chachaさん、1000文字掌編メチャウマじゃないですか!
こぼれた涙の分だけ悔しいですっ(´;ω;`)ブワッ

ラカルに癒されに行ってきますwww
むしろ彼のキャラ的には冷たい目で見られそう?←でもそんな彼にメロメロな私ですwww)

土屋マル #- | URL【2011/12/10 00:55】edit

>マルさん♪

おぉ~!!コメントが3つもついてる!嬉しいっ♪^^
再開されたばかりなのに、わざわざこちらにお越しくださってありがとうございます♪
しかも3つもコメントが!!(しつこい

このお話。本当、自分と重なるところが多々ありまして…
だから、マルさんが流してくれた涙は、私の胸にとっても沁みるのです。ありがとうございます^^
と、いいますか。
マルさんも妹さんですかー??わ~い♪仲間だナカマ^^
こんな素敵な姉妹、私も憧れます。えぇ。←
友人にはこういった姉妹関係が本当に存在しているので、実はすごーく羨ましかったり(笑)
でも、歳を重ねるにつれて、じわじわと近付きつつあるかもしれません。私の勝手な解釈ですけど^^;
姉妹って本当、大人になってから重宝しますよね。もっともっとお互いがオバサンになって、オバーチャンになって…そうした時、かけがえのない存在になっている気がします♪

何故か熱く語ってながーくなりましたが(笑)
本当にありがとうございました☆
どうぞどうぞ、ラカルに癒してもらってください^^
(確かにヤツは無愛想なので、なかなかもどかしいのですが…笑)
うふふ~♪

chacha #- | URL【2011/12/10 12:35】edit

心の距離とわだかまりがすっと取れた瞬間、拒否してきたのは自分だと気がつけたシーンが心に残りました。

実は私も姉とは心で距離を置いていて、近くにいるのになかなか打ち解けることができないでいたりします。
どうしても普段では伝えられない言葉と思いがありますよね。

主人公である妹はこれを逃したら一生、姉に近づくことはなかったかもしれないし、もっと時間がかかったかもしれませんね。

恋町小路 #Tf9aLMeg | URL【2011/12/12 11:34】edit

>恋町小路さん♪

こちらも手にとってくださって、感謝感謝なのですよ~!!^^
恋町小路さんの心に残るものがあったと聞いて、私は本当、幸せ者なのです。
そういった感想が一番嬉しいのですから☆

そしてそして。
恋町小路さんもお姉さんがいるとか!?おぉ!仲間ですね^^
ある意味一番近い存在でありますから、どうしても距離を置きがちな時期もあると思います。
もしかしたら、一生そのままの状態に…というのもあり得る話ですけれど。

結局、何かささいなことでもいい。心開けるきっかけさえあれば…と私は思います^^
この作品のような場面で打ち解けたわけではないですが、やっぱりどちらかが壁を破る行為をしなければ距離は縮まないもので…
うん。人間関係は難しい(笑)

恋町小路さんの解釈通りなので、ちゃんと汲み取っていただけたこと、本当に嬉しかったです♪
ありがとうございました^^

chacha #- | URL【2011/12/12 12:43】edit

「私は嘘が嫌いだ」と合わせてこちらも読ませてもらいました(実は「風鈴」も読みましたが)。

やっぱり私はこういうハートフルなお話が大好きだと、自分で改めて気が付きました。
特にこちらの作品、最後はホロリと来てしまいました。

1000文字って本当に僅かであるにもかかわらず、そんな気持ちにさせてもらえるなんて、chachaさんの筆力に脱帽です。
こういう温かいお話はどんどん書いて欲しいですし、どんどん読みたいです。

ヒロハル #- | URL【2012/01/17 22:39】edit

>ヒロハルさん♪

おぉぉ!一気に三作も!ありがとうございます><

私自身、心温まるお話って好きなんですよ~♪
ミステリーやホラーも好きですし、バッドエンドな話も読みますけれど。
やっぱり、読後って大事ですよね。途中にどんなことを想っても、後に残る余韻が心地よいのが一番いいです。

1000文字、本当に難しいのですよ~;;
まだまだやり始めですが、大体月に一回開催されるので、是非今度はヒロハルさんもご一緒にどうですか?^^

温かいお話、ヒロハルさんのところにも数多くあるようにお見受けしました♪
また参りますね~^^
ありがとうございました☆

chacha #- | URL【2012/01/18 12:46】edit

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